借地権投資の注意点
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
先日、日経MJに面白い記事が
掲載されていました。
白物家電(洗濯機、冷蔵庫等)は
8月~9月頃に安くなるそうです。
理由は、秋に各社新製品が
発表される為
型落ちになる前に販売するからです。
特に8月はまだ、在庫もあり
狙いめな月だそうです。
さて、今日は借地権を使った投資を
考えてみます。
今日も実例を挙げながら考えて
いきます。
今回は、某大手デベロッパーの
案件です。
借地権の種類には以下のような
ものがあります。
借地権 | 存続期間 | 契約方法 | 借地関係の終了 | 契約終了時の建物 | |
定期借地権 | 一般定期借地権 | 50年以上 | 公正証書等の書面で行う。 [1]契約の更新をしない [2]存続期間の延長をしない [3]建物の買取請求をしないという3つの特約を定める。 |
期間満了による | 原則として借地人は建物を取り壊して土地を返還する |
事業用定期借地権 | 10年以上50年未満(居住用は不可) | 公正証書による設定契約をする。 [1]契約の更新をしない [2]存続期間の延長をしない [3]建物の買取請求をしないという3つの特約を定める。 |
期間満了による | 原則として借地人は建物を取り壊して土地を返還する | |
建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | 30年以上経過した時点で建物を相当の対価で地主に譲渡すること |
建物譲渡による | [1]建物は地主が買取る [2]建物は収去せず土地を返還する [3] |
|
普通借地権 | 30年以上 | 制約なし口頭でも可 | [1]法定更新される。 [2]更新を拒否するには正当事由が必要。 |
[1]建物買取請求権がある。 [2] |
出典:国土交通省ホームページ
今回は居住用に当たりますので
一般定期借地権です。
物件内容は
50年の借地権料(前払)が
5,900万円です。
シミュレーションの結果は以下です。
30年分の詳細はこちらから
確認できます。
23区に土地から仕入れて、新築を
建てる投資で、この利回りは
現在の低利回市況を考えると
まあ、まあかなといった印象です。
さて、では、この土地を購入して
投資した場合と比較してみます。
路線価から推定される土地価格は
1億円前後と思われます。
今回は1億900万円で
シミュレーションしています。
30年分の詳細はこちらから
確認できます。
土地を購入したことによって
1.5%表面利回りが悪くなっています。
やはり、借地権での投資は
利回りという点で魅力です。
さて、ではキャッシュフロー(CF)
の比較はどうでしょうか?
30年目の税引後累積CF
・ 借地権 :127,864,016円
・ 所有権 : 69,638,130円
更地にして土地を返す50年目では
・ 借地権 :311,864,961円
・ 所有権 :253,294,145円
約5,800万円
借地権の方がCFが多くなります。
やっぱり借地権の方が
投資としてはいいのか。
ただ、冷静に考えると
所有権の方には約1億円の土地が
残ります。
確かに、人口減少時代を考えると
50年後に1億円で
売れる保証はありません。
しかし、逆にインフレで土地が
上昇する可能性もあります。
自分の判断では、
もし、所有権で投資できるならば
所有権で投資した方が
有利な案件かなと思います。
もちろん、表面利回が6%を切る
ところまで落ちますので
投資としては難しい範囲に
入ってしまいますが。
借地権投資を有利に進めるには
案件の状況による部分が大きいので
あくまでも 感覚的な話ですが
2~3%程度利回り差が欲しいな
と思います。
借地権で投資を検討する場合には
所有権で投資した場合と
比較をして、利回り差に本当に
メリットがあるか確認することが重要です。