不動産投資指標のFCR
表面利回りは最もよく使われる不動産投資指標です。しかし、大きな弱点もあります。その弱点を補える利回り指標がFCRです。
表面利回りの弱点
利回り指標で代表的なのは表面利回りです。
- 表面利回りの計算式は
-

表面利回り=満室想定家賃÷物件価格で計算されます。
このように簡単に計算できるのが頻繁に使われる理由です。
しかし、実態を表さないという大きな弱点があります。
実態を表さない理由は
これらの弱点を補える利回り指標が
FCR(Free and Clear Return)です。
FCR(Free and Clear Return)の利点
- FCR(Free and Clear Return) の計算式は
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FCR=(満室想定家賃-維持管理費)÷(物件購入価格+取得諸費用)で計算されます。また、(満室想定家賃-維持管理費)はネット収入といいます。
表面利回りと比較すると、維持管理費と取得時の諸費用が加味されています。そのため、利回り指標としてはFCRは実態に近い数値になります。
- また、満室想定家賃から推定される空き室の損失額を考慮して
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(満室想定家賃-空き室損失額-維持管理費)÷(物件購入価格+取得諸費用)と計算することで空室も考慮したFCRとして計算できます。
このように利回りとしては精度の高いFCRにも大きな弱点があります。
FCRの弱点
FCRの弱点は時間軸の概念のないことです。
FCRの家賃等の各項目は基本的に物件購入時の値です。しかし、不動産投資は何年、何十年という期間で成否が決定します。
その間にはこのような変動が必ずあります。
- ■家賃は上昇又は下落する可能性が高い
- ■空室率は上昇する可能性が高い
- ■維持管理費は上昇する可能性が高い
FCRを含め利回り指標にはその時間軸の概念はありません。
その弱点を補うのに必要なのシミュレーションが
- 1.キャッシュフロー分析
- キャッシュフロー分析で確認したい4つの結果
- 2.IRRの分析
- IRRの利用方法と目標値の決め方
の2つです。
キャッシュフロー分析は利回りとは異なります。しかし、家賃、維持管理費等の増減を意識して計算することで、FCRの弱点である時間軸を意識した分析が可能です。
IRRはキャッシュフローをベースに自己資金との利回りに近い概念の値を計算できます。こちらも時間軸を意識した指標ですのでFCRの弱点を補うことが可能です。
それぞれの分析方法等については上記リンクのページでご確認ください。
利回りは万能ではない
国債等の利回りは基本的に確定利回りです。そのため10年後にどの程度の運用益を得られるか予測できます。
しかし、不動産投資の利回りは、表面利回りと比較すると精度の高いFCRでも投資開始時点の情報で計算されるため確定値ではありません。
キャッシュフロー分析やIRR分析と比較すると割り算だけで計算でき簡単です。そのため、最初に物件を比較するにはFCR等の利回り指標は便利です。
利回り指標を使う場合は、このあたりの特徴を十分理解して利用する必要があります。
(動画)様々なリスクを予測したシミュレーション
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを利用して「将来の様々なリスクを予測した不動産投資シミュレーション」を動画でご紹介します






不動産投資指標を効率よく利用する方法
表面利回り5%以下の物件へ投資しても大丈夫か


