物件売却時のキャッシュフロー分析をする方法
不動産投資シミュレーションを行う場合に、家賃収入(インカムゲイン)の分析は重要です。しかし、売却収入(キャピタルゲイン)の分析も疎かにできません。
物件売却時のシミュレーション
物件売却時のシミュレーションで確認しておきたい項目は、
1.借入を返済できる売却価格はいくらか
2.想定した売却価格で税引き後にいくら現金は残るか
の2つです。
不動産投資の売却シミュレーションの方法
売却シミュレーションを行う際に最低限必要な項目は
1.売却予定年月
2.売却想定価格
です。
売却予定年月は、売却を予定している年のある場合はその年で分析を行ないます。具体的に決まっていない時には、購入後10・15・20年等の任意の年で行ないます。
売却想定価格は、売却予定年の推定売却価格を計算して決定します。詳しくは「3つの指標で所有物件をいくらで売却できるか確認する」をご確認ください。
この2項目が決まれば売却時のシミュレーションが可能です。
不動産投資シミュレーション 借入は返済できるか
売却時に借入を返済できるかは非常に重要です。返済出来ない場合、売りたいのに売れない事態が発生する可能性があります。
以下は1億円の表面利回り6.5%の物件を10年後に9,000万円で売却した際のサンプルシミュレーションです。
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターでシミュレーション
売却価格から譲渡費用と借入残高を引いた金額の税引き前のキャッシュフローは約2,130万円残っています。
借入残高を返済できる目途となる価格は、譲渡費用によって変わりますが、借入残高と譲渡費用を足すことで約6,800万円程度だと分かります。
不動産投資シミュレーション 売却時の税引き後キャッシュフロー
9,000万円で売却した場合、税引き前で約2,130万円残ることは分かりました。続いて税引き後のキャッシュフローです。
税引き後キャッシュフローを計算するには「譲渡所得」と「所得税+住民税」の計算が必要です。
譲渡所得の計算方法は
■売却価格-譲渡費用-(取得費-減価償却費累計)
です。
※取得費の計算方法は「不動産売却に必要な知識 取得費」をご確認ください
※不動産投資シミュレーションツール アセットランクシミュレーターでシミュレーション
今回のサンプルでは譲渡所得は720,000円になります。この譲渡所得に以下の所得税と住民税がかかります。
サンプル物件は購入10年後のシミュレーションです。長期譲渡所得になり税率20%+復興特別所得税の146,268円が税額になります。
税引き後キャッシュフローは「21,332,177-146,268 =21,185,909」です。
この税引き後キャッシュフローが売却で本当に手元に残る金額になります。
売却時の投資シミュレーションも必須
不動産投資シミュレーションを行う時にインカムゲインに偏りがちです。しかし、購入時から出口を想定して売却時のシミュレーションを行うことも重要です。ご参考にしていただき、シミュレーションしていただければと思います。
(動画)出口(売却)まで考えたシミュレーション
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを利用して「出口(売却)まで考えたシミュレーション」を動画でご紹介します