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節税目的の物件購入は投資として成立するのか

2025-10-16              

    

不動産投資の目的は人それぞれ異なります。資産運用目的。資産防衛目的。その目的の1つが節税目的です。節税目的で物件を購入するメリットは本当にあるのか検証します。
 

 

節税目的の不動産投資

 

節税目的で投資する場合
 
・低利回り
・キャッシュフローは若干のプラス又は僅かなマイナス
 
と資産運用目的の場合と異なるパターンになることがあります。
 
しかし、いくら節税目的とはいえ最終的に投資として成立しなければ意味がありません。不動産投資で自分のお金(自己資金)は増えるのかという視点は必要です。

 

 

節税だけで本当に得するのか

 

ここからは、毎月数万円の僅かなキャッシュフローマイナスの節税目的投資をサンプルシミュレーションを利用して検証します。
 
不動産投資シミュレーション_節税分析のサンプル物件
 

節税だけを考えると築古木造は短期的には有利です。今回は、将来の売却を考えて新築木造をサンプルにしました。表面利回り4%と低利回り物件です。

 
キャッシュフローのシミュレーションを確認すると
 
不動産投資シミュレーション_節税分析のキャッシュフローシミュレーション
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーター 新分析モードを利用
 
毎年40万円程度の赤字です。月にすると約3.2万円のキャッシュフローの赤字になります。10年間のキャッシュフロー赤字の累計額は3,770,363円になります。
 
不動産分CF欄の下が節税額です。初年度は購入諸費用の一部を損金計上しているため節税額が大きいです。その後縮小していきます。10年間の節税額は1,959,520円です。
 
多くの場合、このように徐々に節税額は減っていきます。理由は大きく3つあります。
 
1.元金返済が進むことで徐々に損金となる利息支払いが減少する。
 
2.元金返済が進んで利息支払いが減っても土地部分の利息支払いで損益通算できない割合は変わらない外部リンク
 
3.減価償却終了後はデッドクロスの状態になりやすい。
 
からです。
 
上記のキャッシュフローのシミュレーションは年収1,000万円、白色申告の結果です。これよりも年収の多い場合と青色申告の場合はどうなるでしょうか。

 

 

年収と申告方法の節税額比較

 

年収と申告方法によって節税額はどうなるのか一覧表にします。
 
青色申告と白色申告についてはこちら外部リンク
 
不動産投資シミュレーション_売却まで含めた税引き後のキャッシュフロー累計
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーター 新分析モードを利用
 
白色申告より青色申告。低年収より高年収の方が節税額は多くなります
 
10年間の累積のキャッシュフローの赤字 3,770,363円を超過する節税額になるのは青色申告で年収3,000万円以上必要です。
 
節税だけで投資として成立させるハードルの高いことが分かります。
 
それでは節税目的で行った不動産投資を投資として成立させるポイントはどこあるのでしょうか。

 

 

節税投資は将来の不動産価格が重要

 

投資として成功させるポイントは、いくらで売却できそうかです。
 
以下は10年後に物件を1億円~1.2億円で売却した場合の、インカゲインの赤字キャッシュフローと売却分のキャッシュフローを合計した累計額です。この金額が売却まで含めた最終の手残り金額です。
 
不動産投資シミュレーション_年収と申告方法による節税比較
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーター 新分析モードを利用
 
今回の投資は自己資金3,000万円を利用して物件を購入しています。最低限、出口(売却)時点でこの3,000万円は回収する必要があります。
 
10年後に購入価格と同額の1億円で売却した場合は3,000万円に達しません。数百万円単位で節税で得をしても投資としては成立しないレベルです。
 
1.1億円で売却できた場合には約3,700万円残ります。このレベルなら節税の数百万円を加味すると検討する土台に上がります。
 
今回のサンプルシミュレーションでは、投資を判断する基準として購入価格より10年後に10%以上物件を高く売却できるかは1つの判断基準になります。

 

 

節税目的の投資を成立させるポイント

 

節税だけで得する状態を作るには高い年収が必要になります。節税だけでプラスにするのは難しいことが多いです。
 
節税目的で低利回り、キャッシュフローは少し赤字物件を購入する際のポイントは、物件は値上がりする可能性が高いかです。
 
節税目的の不動産投資は、インカムゲインのキャッシュフローの赤字を、売却で吸収して投資として成り立たせる。そのおまけとして節税があるという考えで行う必要があります。
 
また、自己資金割合を高くしてキャッシュフローを赤字にしないという方法もあります。今回のサンプル物件では自己資金割合40%(4,000万円)にするとキャッシュフローは年間8万円程度のプラスになります。
 
節税目的とはいえ、このパターンでしっかり自己資金を回収できる投資計画立てるのが理想です。
  
このように、様々なパターンで課税所得額・節税額・キャッシュフロー・売却時のキャッシュフローを組み合わせてシミュレーションを行って自分にあった投資方法を検討する必要があります。
  
 

(動画)節税分析とキャッシュフロー分析

 
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを利用して「節税分析とキャッシュフロー分析」を行う方法を動画でご紹介します
 

 
 

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