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ワンルームマンション投資の現実

2021-08-20

ここ最近、銀行から、不動産投資目的で借入をするのが難しくなっています。コロナの関係で企業の資金需要が高まって、貸出が増加しているのも1つの理由です。
 
そんな中、借入無しの自己資金だけで投資ができる、ワンルームマンション投資を考える方もいると思います。そこで、中古ワンルームは、投資として成り立つのか、実際の物件を使いながら、ご一緒に検証していきたいと思います。

 

物件概要

 

以下の物件は実際に販売されている物件です。

 

物件概要
物件名 中古ワンルームマンション投資
住所 東京都(山手線)
築年月 1990年4月(耐用年数21年)
占有面積 16.5平米
賃料/月 69,000円
管理費 6,765円
修繕積立金 3,280円
物件価格 13,900,000円
物件取得費用 1,390,000円
自己資金 15,290,000円
表面利回り 5.96%
投資家属性
年収 7,000,000円
扶養家族 1人

※物件取得費用は概算値です。
 
場所は山手線駅から10分以内の好立地です。また、今回は年収700万円、扶養家族1人の人が購入する前提で検証します。
 
表面利回りは5.96%と、新耐震では一般的に出回っている利回り程度です。

 

シミュレーション結果

 

以下がシミュレーション結果です。
 

30年間のキャッシュフロー表(年3%の空室を想定)
年数 2021 2022 2029 2030
潜在的総収入(年) 345,000 828,000 828,000 828,000
維持管理費(年) 50,225 120,540 120,540 120,540
キャッシュフロー 294,775 682,620 682,620 682,620
所得税等税金 0 133,156 133,156 133,156
税引き後キャッシュフロー 294,775 549,464 549,464 549,464
税引き後キャッシュフロー累計 294,775 844,239 4,690,483 5,239,947
自己資金回収率 1.93% 5.52% 30.68% 34.27%
年数 2031 2032 2039 2040
潜在的総収入(年) 828,000 828,000 828,000 828,000
維持管理費(年) 120,540 120,540 120,540 120,540
キャッシュフロー 682,620 682,620 682,620 682,620
所得税等税金 133,156 133,156 133,156 133,156
税引き後キャッシュフロー 549,464 549,464 549,464 549,464
税引き後キャッシュフロー累計 5,789,410 6,338,874 10,185,118 10,734,582
自己資金回収率 37.86% 41.46% 66.61% 70.21%
年数 2041 2042 2049 2050
潜在的総収入(年) 828,000 828,000 828,000 828,000
維持管理費(年) 120,540 120,540 120,540 120,540
キャッシュフロー 682,620 682,620 682,620 682,620
所得税等税金 133,156 133,156 133,156 133,156
税引き後キャッシュフロー 549,464 549,464 549,464 549,464
税引き後キャッシュフロー累計 11,284,045 11,833,509 15,679,753 16,229,217
自己資金回収率 73.80% 77.39% 102.55% 106.14%

※アセットランクシミュレーターでシミュレーション 一部期間を抜粋

 

シミュレーション条件は、購入時の家賃を期間中維持空室は年3%見込んでいます。満室経営と言っていい条件です。3%はテナントが変わる際に、どうしても発生する空室期間を考慮したものです。
 
月の税引き後キャッシュフロー(CF)は約45,000円です。
 
税引き後CFで自己資金回収できるのが29年後の2049年です。
 
インカムゲイン(家賃)だけを考えた、運用成績としてはかなり厳しいです。
 
東京都心の1Rマンションへ投資をした場合の収益性は同様レベルの物件が多いです。

 

キャピタル(売却)を考慮

 

以下は10年後の2031年に、売却した際のシミュレーションです。
 
厳密に言うと違うのですが、ATIRRとは税引き後CF基準で、自己資金をどの程度の年利で運用できたかを表すものとご理解ください。
 

10年後の売却シミュレーション
売却価格 ATIRR
10,425,000 0.26%
11,120,000 0.73%
11,815,000 1.17%
12,510,000 1.60%
13,205,000 2.01%
13,900,000 2.40%
14,595,000 2.77%
15,290,000 3.12%
15,985,000 3.39%
16,680,000 3.65%
17,375,000 3.91%

アセットランクシミュレーターグラフ表示機能を利用したシミュレーション 
 
まず、購入した1,390万円で、売却できた場合には、年2.4%で運用できる結果になります。
 
購入経費を入れた、自己資金:1,529万円を1,913万円まで増加させて回収できます。
 
1,042万円で売却した場合、年0.26%の年利ですので、10年後に約1,000万円で売却できるかが損するか得するかのラインになります。
 
この物件の場合、10年後に購入価格より高い価格で売却できるかが、投資として成功するかのポイントになります。

 

2021年時点での投資

 

実際の物件を使ったシミュレーション結果を検証しました。現状の利回りだと、インカムゲインだけで資産運用を行うのは、厳しいかなと思います。

 

今後もワンルームの価格が、上昇していくと考える場合は運用として成功する可能性があります。もし、値下がりすると、考えているようならば慎重な判断が必要です。
 

※簡単な動画ですが、アセットランクシミュレーターを使用して、ワンルームマンションのシミュレーションをする方法を紹介しています。


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