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中古物件の耐用年数の計算方法を理解する

2021-07-24              

    

不動産シミュレーションを行う際の、重要な要素の1つが減価償却費です。減価償却費は、不動産投資の収益に大きな影響を与えます。
 
そこで7月10日のメールセミナーで「新築」時の法定耐用年数について考えていきました。今日は、さらに理解が深まればと中古の耐用年数について考えていきたいと思います。

 

法定耐用年数とは

 

7月14日のメールセミナーでも書きましたが
 
※7月14日のメールセミナーはこちら
 
法定耐用年数とは税務上の耐用年数のことです。
 
建物等を損金化する際に毎年一定額(定額法)を損金化する為の基準となる年数です。
 
例えば、資産 2,000万円
法定耐用年数20年の場合
 
2,000万円÷20年(×0.05)100万円が1年ずつ経費として損金化できます。
 
稀に、法定耐用年数=建物寿命と考えているような記事を見かけますが、あくまでも税金の計算に使われる年数です。
 
ここまでは、一般的な説明です。
 
物件購入を検討する際には、さらに、詳細な情報が必要です。

 

新築と中古での違い

 

法定耐用年数は構造、用途によって異なります。また、新築と中古によっても大きく異なります。
 

新築 法定耐用年数一覧(構造と用途での違い)
木造 軽量鉄骨
(骨格材3~4mm)
重量鉄骨
(骨格材4mm超)
SRC・RC
住宅用 22年 27年 34年 47年
事務所用 24年 30年 38年 50年
店舗用 22年 27年 34年 39年
飲食店用 20年 25年 31年 41年
工場・倉庫 15年 24年 31年 38年
中古(築15年) 法定耐用年数一覧(構造と用途での違い)
木造 軽量鉄骨
(骨格材3~4mm)
重量鉄骨
(骨格材4mm超)
SRC・RC
住宅用 10年 15年 22年 35年
事務所用 12年 18年 26年 38年
店舗用 10年 15年 22年 27年
飲食店用 8年 13年 19年 29年
工場・倉庫 3年 12年 19年 26年

※新築のその他構造・用途については国税庁HPより確認できます
 
上の表が新築。
下の表が中古(築15年)。
 
の建物用途別法定耐用年数です。新築については国税庁HPで確認できます。中古については新築時の法定耐用年数を基本にして一定の計算方法で求めます。

 

中古物件の計算方法

 

中古物件の場合は以下の2種類のどちらかの方法で決定します。
 

1.見積法
 
中古物件を使用できる期間を合理的に見積って求める方法
 
2.簡便法
 
法定耐用年数 − 経過年数 + 経過年数 × 20%

 
で算出。算出した年数の1年未満の端数は切り捨て。算出した年数が2年に満たない場合は2年
 
の計算方法で求める方法
※リフォーム等で購入価格の50%を超過した場合は「折衷法等により異なる計算方法で求める必要があります。
 

ただ、1の見積法で償却されている大家さん、投資家さんに、私はお会いしたことがありません。税務署が納得する、合理的であるかどうかの証拠集めが必要なので
手間がかかるからです。
 
2.簡便法の例を挙げると
 
法定耐用年数:10年
経過年数:2年
 
10年−2年−2年×20%=8.4年
 
この場合は8年が耐用年数になります。

 

減価償却費への影響

 

耐用年数は減価償却費へ大きな影響を与えます。さらに、減価償却費は税額計算の基になる課税所得に大きな影響を与えます。つまり、本当の手取り額である税引後CFがこれらの影響で決定してきます。耐用年数については、簡易シミュレーションの段階から、できる限り正確に把握しておく必要があります。
  
今日のメールセミナーが、構造、用途、築年数による収益への影響比較を行うご参考になればと思います。

 

※簡単な動画ですが、アセットランクシミュレーターを使用して、耐用年数を確認する方法を動画で紹介しています。


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