10年後の売却価格を推定する方法
不動産投資は、出口戦略(売却)まで含めた分析を行っておくことが重要です。
理由は「投資の成否は出口まで分からない」からです。
どんなに、家賃収入を上手く得ていても、売却で失敗すれば、それまでの努力が失われます。
しかし、物件取得時に10年、15年後にいくらで売却できるかを推測するのは、なかなか難しいです。
そこで、今日は、10年後の推定売却価格を計算する方法についてです。
10年後の推定売却価格
10年後の推定売却価格を計算する方法は、とてもシンプルです。
推定売却価格=10年後の想定満室家賃÷(取得時表面利回り+0.5~3%)
電卓レベルで計算できる内容です。
推定売却価格の計算方法
推定売却価格が
10年後の想定満室家賃÷(取得時表面利回り+0.5~3%)
で計算できる理由は、
ファミリー向けの区分所有等を除いて、投資用物件は売却する相手も「投資家」だからです。
不動産投資で一番最初に確認するのは、多くの方が表面利回りです。
つまり、投資家が求める表面利回りの物件価格ならば売却できる可能性が高いことになります。この価格が推定売却価格です。
それでは、項目ごとに確認していきます。
サンプルを使った計算結果
計算に必要な項目は
1.10年後の想定満室家賃(潜在的総収入)
2.10年後の想定表面利回り
です。
1. 10年後の満室時の家賃収入合計(年間)のことです。
10年後には家賃が、取得時より下落している可能性が高いです。それを考慮した満室家賃を利用します。
2. 10年後には、取得時よりも高い表面利回りを、投資家から求められる可能性が高いです。それを考慮した表面利回りを利用します。
では、サンプル物件を使って具体的に確認します。
1.10年後の想定満室家賃(潜在的総収入)は毎年1%下落を想定した家賃収入を利用します。
今回のサンプルの場合、4,795,966円になります。
毎年1%下落を想定する計算根拠は「賃貸マンションと比較した賃貸アパート実態分析」をご確認ください。
2.10年後の想定表面利回りは、取得時の「表面利回り+0.5~3%」で計算します。今回のサンプルでは。8%~10.5%です。
加算する%は地域、物件種類によって異なります。投資物件サイト等で、10年後の近い築年数の表面利回りを調べた上で加算する%を決定してください。
サンプル物件の結果
それでは、サンプル物件の結果を確認します。
今回のサンプルの場合、7,000万円で購入した物件の推定売却価が約5,300万円~6,000万円です。
この推定売却価格を使用して、売却時のキャッシュフローを確認する等、シミュレーションを行うと、現実感のあるシミュレーションができます。
売却シミュレーションで確認したい項目については「不動産の出口戦略の為に知っておきたいルール」をご確認ください。
売却まで含めたシミュレーションは、非常に重要です。今回の記事をご参考に分析していただければと思います。
※アセットランクシミュレーターを利用し推定売却価格を確認する方法をご紹介しています。