年に1回は確認しておきたいあるバランス
不動産投資は10年・20年と長期間におよぶ投資です。その投資期間中、定期的に確認したいあるバランスがあります。
重要なバランス
このバランスが崩れている場合、とてもリスクの高い状態になります。逆に、バランスを保てていれば一定の安全性を確保できます。
その定期的に確認したいバランスは
借入残高<不動産価格
となっているかです。
これが
借入残高>不動産価格
となった場合はリスクの高い状態と言えます。理由は、売却時に借入を返済できない可能性があるからです。
今後、金利上昇等の変化が顕在化していく可能性が高いです。また、人口減少の影響をうける地域も増えていきます。そんな時の最善策が不動産投資からの撤退だとしても、撤退できない状況になりかねません。
「借入残高<不動産価格」確認方法
では、具体的にどのように確認すればよいでしょうか。
借入残高については、銀行の返済計画書等を確認すればすぐに分かります。
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターで作成した返済表
ポイントは不動産価格です。
不動産価格=購入価格 ではありません。
不動産価格=売却可能な価格 つまり、時価で考える必要があります。
では、時価をどのように検討すればいいでしょうか。
不動産の時価を確認する簡単な方法
もっとも簡単に売却可能な価格(時価)を推定する方法は
直近の年間家賃÷表面利回りで計算することです。
ポイントは表面利回りは購入時の表面利回りではなく、計算時の表面利回りを利用することです。
計算時の表面利回りは収益物件のポータルサイト等で、ご自分の物件に近い物件の表面利回りを確認して算出します。
例えば、収益物件のポータルサイトで見つけた類似物件の表面利回りは6.7%。直近の年間家賃収入は800万円の場合
800万円÷6.7%=1.19億円が推定の売却可能価格になります。
※不動産投資シミュレーションツール アセットランクシミュレーターを使った売却可能価格計算
さらに精度の高い時価を推定する方法は以下をご確認ください。
3つの指標で所有物件をいくらで売却できるか確認する
バランス確認時に考慮に入れたいこと
「借入残高<不動産価格」のバランス確認時に、さらに考慮に入れたいのは
1.売却時の手数料を考慮する
売却可能価格(不動産価格)×4~5%程度の売却時に必要な手数料を考慮するとより現実味が増します。
※売却時にかかる諸費用について
2.複数物件所有している場合は全物件合計を確認する
複数物件を所有している場合は、不動産投資から完全撤退した場合も想定して検討すると良いです。
定期的に確認する重要性
不動産投資は長期間におよぶ投資です。その期間中に様々変化がおとずれます。また、ご自身の環境が変化するかもしれません。その変化によって、不動産投資から撤退するのが最善の選択になる場合もあります。
そんな時に「借入残高>不動産価格」となり撤退できない状況は最悪です。ぜひ、ご自分の現在の状況を確認するために、年に1回など定期的に「借入残高<不動産価格」の状況にあるかを確認なさってください。
不動産投資の守りを考えた時には必要な視点ですので、この記事を参考に計算していただければと思います。
(動画)現実感のある売却シミュレーションを行う方法
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを利用して「現実感のある売却シミュレーションを行う方法」を動画でご紹介します