売却収益分析で確認したい3つの基準価格
不動産投資の収益シミュレーションを行う場合には2つの視点をもって分析する必要があります。
1.家賃での収益(インカムゲイン)
2.売却での収益(キャピタルゲイン)
のシミュレーションです。
現在、物件価格上昇に家賃上昇が追いついていないことで、表面利回りは10年前と比較して大幅に低下しています。
このような状況もありキャピタルゲインの重要性は増しています。このキャピタルゲインのシミュレーションで確認したい3つの価格があります。
売却シミュレーションで確認したい3つの価格
確認したい3つの価格は
1.売却キャッシュフローがマイナスにならない価格
2.自己資金を回収できる価格
3.目標収益を達成できる価格
この3つの分析を行うことで安全性と収益性両面の分析ができます。
売却キャッシュフローがマイナスにならない価格
まず確認しておきたいのは、売却キャッシュフローがマイナスにならない価格です。
この項目は死守しなければならない基準です。理由は、基準を下回った場合、借入返済ができずに売却したくても出来なくなる可能性があるからです。
新築重量鉄骨造 9,000万円 表面利回り6.5%の物件を使ってサンプルシミュレーションをします。
不動産投資ツール アセットランクシミュレーターで分析
最悪の結果を想定したシミュレーションを行うことで、出口の際に4,850万円を下回ることは許されないことが分かります。
自己資金を回収できる価格
次に確認が必要なのは、自己資金を回収できる価格です。
投資した自己資金は返ってきますので時間と労力を除けば損はしない(インフレは考慮しない)売却価格です。
以下は自己資金1,800万円を回収できるかシミュレーションしたものです。
自己資金100%回収(自己資金回収率100%)したかは、インカムゲイン+キャピタルゲインの合計値で確認します。
今回のサンプルでは約5,100万円で売却できれば自己資金を回収できます。
不動産投資ツール アセットランクシミュレーターで分析
自己資金を回収できない投資では話になりませんので、この基準も最低限超えたいラインです。
目標収益を達成できる価格
前の2つの基準は、最低限超えたい基準でした。
3つめは、目標収益を達成する売却価格はいくらかです。この基準を比較するには不動産投資指標のIRRを利用します。
※IRR(BTIRRとATIRR)についてはこちらをご確認ください
不動産投資ツール アセットランクシミュレーターで分析
IRRを利用する際に覚えておくと便利な数値は7.2%です。約7.2%で10年運用できると自己資金を倍にできます。今回のシミュレーションでは約7,200万円でこの基準を達成できます。
売却シミュレーションの重要性
不動産投資シミュレーションを行う際に、つい、インカムゲインだけの分析を行ってしまいがちです。しかし、キャピタルゲインまで含めた分析を行わないとシミュレーションとしては不完全です。
ぜひ、この内容をご参考にしていただきシミュレーションを行っていただければと思います。
(動画)売却収益シミュレーションを行う方法
※不動産投資シミュレーションツール アセットランクシミュレーターを利用した売却収益シミュレーションの入力方法のご紹介