不動産投資物件売却価格を瞬時に計算する方法
『ソフトの売却設定欄に家賃収入で割り戻す
という項目がありますがこの機能はどのように
使ったらいいのでしょうか?』
こんなご質問をいただきました。
この機能を使うと、
▼ 物件の現在価値の概算がわかる
▼ 見当をつけにくい10、20年後の
売却価格を予想しやすい
などが可能です。
『アセットランクシミュレーター』には
売却価格を決定する場合に
・ 売却価格を手入力する
・ 減価償却費分を引いた価格で物件価格を割り出す
・ 家賃収入で割り戻す
の3つの方法があります。
ご質問いただいた部分は
3番目の方法についてです。
この方法を例を使って説明すると
山下さんは、ネット関連事業で成功し
その利益を元手に、
2005年1月 横浜市中区に
RC 築11年の物件を
1億2千万円で購入しました。
この物件の購入時、
年間家賃収入 1080万円 満室
表面利回りは9%でした。
それから、15年間 山下さんは
賃貸経営を続けました。
しかし、15年後、ネット事業も成熟し
事業を継続する為には、どうしても
この物件を売却する必要がでてきました。
この時点で、物件は老朽化もあり
満室時家賃収入 920万円
空室率も22%に達していました。
山下さんは、
『いくらだったらすぐに売却できるだろう』
と悩みました。
この時の物件周辺の平均利回りは
都心部への人口流入により
8.5%となっていました。
山下さんの売却価格を
『よい場合』『普通の場合』『悪い場合』の
3種類考えてみます。
この時に便利なのが家賃収入で割り戻して
考える方法です。
平均利回りよりも、低い表面利回りで
売却できそうな場合はマイナス
平均利回りよりも、高い表面利回りでしか
売却できない場合はプラスします。
・ 高い価格で売却できる場合を想定
平均利回り8.5%-2%=6.5%
920万円 X 78%(運営率) ÷ 6.5%
=1億1千4十万円で売却可能
・ もっとも可能性の高い場合を想定
平均利回り8.5%のまま割戻し
920万円 X 78%(運営率) ÷ 8.5%
=8442万円で売却可能
・ 低い価格で買い叩かれた場合を想定
平均利回り8.5%+2%=10.5%
920万円 X 78%(運営率) ÷10.5%
=6834万円で売却可能
この『良い場合』『普通の場合』『悪い場合』の
3つを想定して、それぞれのIRR,税引き後CFなど
投資効率を確認します。
その上で、投資を始める際に目標としていた
投資効率を下回らない価格で売却できるように
工夫する必要があります。
家賃収入で割り戻す方法は、売却を検討している物件と
似た物件の平均利回りをインターネット上で10件程度
調べるだけで売却価格を想定できる便利な方法です。
『アセットランクシミュレーター』では
家賃収入で割り戻すの欄に割り戻す利回りを
入力するだけで、
売却を考慮したIRR,税引き後CFなどが
瞬時で計算されます。
入力、計算ともに瞬時ですので
今回の例の3通りだけではなく
1%刻みに5通り計算することもストレスなく可能です。