現実感あるCF分析を行うための4要素
不動産投資シミュレーションの基本はキャッシュフロー分析です。キャッシュフロー分析は4つの要素に注目して行うと現実に近いシミュレーションを行うことができます。
キャッシュフローの4つの要素
不動産投資のキャッシュフロー分析は4つの要素に注目して行います。
キャッシュフローの4つの要素は
1.収入
2.支出
3.借入返済
4.税金
です。この4つの要素を一覧にすると
この4つを以下の計算式に当てはめてキャッシュフローを計算します。
■ 収入-支出-借入返済-税金
この計算を行うことで、税引き後のキャッシュフロー=本当に手元に残る額 をシミュレーションできます。
次に、不動産投資のキャッシュフローシミュレーションを行う際に注意したい点です。
キャッシュフロー分析時に注意すべき点
不動産投資のキャッシュフローシミュレーションの注意点は
1.収入⇒空室率を考慮する
最低でも5~20%程度の空室率を考慮して分析を行います。一般的に言われる満室経営でも、退去から次の入居者が契約するまでの期間を考えると0%では現実離れします。近隣の状況を確認して空室率を考慮します。
2.支出⇒修繕費を考慮する
不動産投資の管理費等の支出は他の事業と比較すると大きく変化しません。しかし、修繕費は経年劣化等で突然発生する可能性があります。特にRC物件は要注意です。
3.借入返済⇒金利上昇を考慮する
変動金利で借入を行っている場合は金利上昇を考慮する方がいいです。金利について先読みするのは非常に難しいのは事実です。しかし、2~3年毎に0.5%程度上昇を借入金利+2%程度になるまで見込んでシミュレーションすることをお勧めします。
4.税金⇒不動産以外の収入も考慮する
税金は個人の場合は、総合課税と累進課税
で決定されます。不動産だけの収入で計算すると、他の収入の多い人は大きくシミュレーション結果の異なる可能性があります。不動産以外の収入も加味してシミュレーションを行ってください。
注意点を考慮したシミュレーション結果
以下は2025年に投資を開始した物件の2030~2034年のキャッシュフローのシミュレーション結果です。
上から徐々に考慮すべき項目を増やして分析を行っています。
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターで分析
注目していただきたいのは、赤二重枠の税引き後のキャッシュフローの累計額です。この項目で10年間で手元にどれだけ現金が残ったかを確認できます。
何も考慮しないものと全てを考慮したシミュレーション結果を比較すると約1,100万円も差が出ます。
不動産投資のキャッシュフローシミュレーションを行う場合は、本日ご紹介した注意点を加味しないと、あまり意味のないシミュレーションになりかねません。
不動産投資キャッシュフローシミュレーション
4つの要素の注意点を何も考慮しないでキャッシュフローシミュレーションを行うと現実離れした結果になります。
ご紹介した注意点を考慮しながら、キャッシュフローシミュレーションを行っていただければと思います。
(動画)リスクを考慮した分析を行う方法
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを利用して「様々なリスクを考慮した不動産投資シミュレーションを行う方法」を動画でご紹介します