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投資物件価格の下落はいつまで続くのか

2020-07-18              

    

おはようございます。
 
アセットランク
大塚 博之です。
 
最近、投資物件の価格が
少しずつ下落しています。
 
特にいわゆる1棟物の価格は
下がり幅が大きいです。
 
コロナ禍前から1棟物の価格は
下がり初めていましたが
コロナ禍で加速しそうです。
 
 

1棟物の下落する理由

 
1棟物から下落する理由は
主に以下の2つが考えられます。
 
1.価格が高い為借入が必須
 
不正融資問題、コロナ禍の影響で
かなり属性の良い投資家でも融資が
受けられない状況になっています。
 
1棟物を現金で購入できる人は
非常に限られますので
この影響は大きいです。
 
2.売却対象が投資家に限られる
 
ファミリータイプの区分所有と違い
投資家に売却するしかありません。
 
売却対象者が限られますので
出口を考えた際に1棟物は
タイミングを間違えると
非常に出口戦略が難しくなります。
 
 
では、このまま下落の一途を辿るのか?
それがそうとも言えません。
 

 

下落し続けない理由

 
以前のメールセミナーでご紹介した
グラフです。
 
このグラフは国債金利と
各地域のキャップレート(利回)
を表したのものです。
 
不動産価格は基本的に
キャップレートによって決まります。
 
特に、投資物件の場合は
この傾向が顕著です。
 

不動産価格形成(キャップレートとリスクプレミアム)
 

・国債金利(青色)=1%
・A地域キャップレート(橙色)=  5%
・B地域キャップレート(灰色)=  7%
 
と仮定して話を進めます。
 
 
投資物件価格を決める基準は
国債金利です。
 
国債は数ある投資対象の中でも
最も安全な投資対象と
考えられています。
 
国債と比較するとA地域への
不動産投資は危険なので
+4%のリスクプレミアムが欲しい
 
さらにリスクの高いB地域への
投資は+6%欲しい
 
これがキャップレートの考え方です。
 
これを前提に物件価格を考えていくと
どんどん下落していかない
理由が分かります。
 

 

下落が止まる均衡点

 
物件価格下落=キャップレート上昇
となります。
 
例えば、A地域で100万円の
家賃収入の場合
 
100万円÷5%=2,000万円
がA地域の物件価格になります。
 
この物件の価格が半分の
1,000万円になった場合
 
キャップレートは10%に
跳ね上がります。
 
こうなれば、国債に投資するより
美味しいと思う人が多数現れます。
 
そうなれば、俺も買いたい
私も買いたいとなります。
 
その均衡点を迎えた時に
下げ止まります。
 
これがどんどん下落していかない
理由です。
 

 

不動産価格が大きく変動する時

 
では、不動産価格が大きく
下落することは絶対に無いか
と言うとそうではありません。
 
キャップレートの考え方を
基本にすると
 
大きく変動する要因は3つです。
 
1.対象地域に大きなリスク要因発生
 
2.大不況で極端なデフレ
 
3.国債金利が大幅上昇
 (スタグフレーション)
 
1.は、災害等でインフラが破壊される、
人口が減るなどして
4%のリスクプレミアムで良かったのが
リスクが高まり6%のリスクプレミアムが
必要になった時に発生します。
 
 
2.は、大恐慌のような事が起こり
デフレになって給料が下がり、
家賃が下がるという流れになった時です。
 
この場合、同じリスクプレミアムを
維持する為には、家賃下落分を
物件価格で調整する必要があります。
 
 
3.はリスクプレミアムの計算の
根本になる国債金利が上昇して
不動産価格下落が起こります。
 
国債金利が1→3%になった場合
リスクプレミアムが4%の地域では
 
キャップレートが5→7%になり
物件価格が大幅に下落します。
 

 

今後の物件価格

 
現在の投資物件価格の下落は
これまで高すぎた価格を調整
している程度です。
 
いずれ、その物件に見合った
キャップレートまで下げれば
止まります。
 
投資中の物件がキャップレートに
見合った価格で投資した物件で
あれば
 
物件価格下落や
一時的に出口を迎えにくく
なっても心配ありません。
 
本当に怖いのは
 
1.対象地域に大きなリスク要因発生
 
2.大不況で極端なデフレ
 
3.国債金利が大幅上昇
 
で大きな変動を起こす時です。
 
それだけに1~3が起こる兆候が
無いかは日頃から注意しておくべき
ポイントです。
 
3.は利息にも大きな影響が
ありますので特に注意が必要です。

 


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