賃貸経営者なら知っておきたいサブリース新法のポイント
不動産投資に関わる人は知っておきたい法律が12月15日に施行されます。
「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」
いわゆる、サブリース新法です。
法制化された理由
まず、サブリースについて簡単に触れます。
サブリース会社を利用する投資家の最大のメリットは
「一定の手数料を支払えば一括借上してくれるので空室を気にせずに安定した
収益を計算できる」
という点です。
しかし、ご存知のようにかぼちゃの馬車等で、この最大のメリットが予定通り履行されずに
社会問題化したことが法制化の理由です。
サブリース新法の概要
新法のポイントは3つです。
1.誇大広告禁止
サブリースの広告では「30年間家賃保証」等のうたい文句がよく利用されます。
しかし、実際はご存知のように
・保証賃料を大幅に減額
・契約の打ち切り
等が行われても文句の言えない契約になっています。
30年間保証されているわけでは無いので、今後は誇大広告として判断され罰則の対象となる可能性があります。
2.勧誘者の明確化
新法では、サブリース会社を紹介した建設会社、金融機関、不動産会社等もサブリース新法の罰則対象になります。
3.重要事項説明の義務化
不動産売買と同様にサブリース契約をする前に重要事項の説明が義務化さます。
以下は国土交通省が掲載しているガイドラインの一部で重要事項説明の記載例です。
(国土交通省 サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドラインより抜粋)
保証賃料の減額や、契約解除の可能性について書かれています。
この3つが新法のポイントです。
サブリースの今後
新法と言いますが
「当たり前の事じゃないか」
と思うのが本音です。
逆に言えばこれまでがあまりにも杜撰だったと言えるかもしれません。
新法を守らない場合は罰則もありますので、ポイントの1~3が守られればようやく、世間一般の常識から見た当たり前の状態になると思います。
投資家から見たサブリース
サブリースは空室リスクの低減等投資家から見てもメリットがあります。
しかし、100%当てにしての投資は、絶対にやってはいけません。
投資判断は、しっかりしたシミュレーションを行たうえで「自分で考えて判断する」ことが重要です。
新法の制定で、この判断を惑わすような広告等が禁止されますので冷静な投資判断とサブリースの利用を検討できるようになるのではと思います。