インカムゲインの分析だけでは不十分な理由
不動産投資シミュレーションは2つの側面で行う必要があります。1つは家賃収入のキャッシュフロー分析、そしてもう1つは売却の分析です。
売却シミュレーションの重要性
不動産投資の成否を決めるのは家賃収入(インカムゲイン)と売却収入(キャピタルゲイン)の合計の収益です。つまり、インカムゲインの分析だけで判断するのは難しいということです。
物件購入前にシミュレーションを行う投資家さんは増えました。しかし、インカムゲインどまりという場合も少なくありません。
たしかに、10、20年後にいくらで売却できるかをピタリと当てるのは不可能です。しかし、様々な角度から推測することは可能です。
売却可能な価格を推測する方法は「3つの指標で所有物件をいくらで売却できるか確認する」をご確認ください。
この推測した価格を使って売却まで含めたシミュレーションを行っておく必要があります。
出口シミュレーションで確認すべき3つの項目
売却(出口)を含めたシミュレーションで確認したい数値は
1.売却での税引き後のキャッシュフローの比較
売却での税引き後のキャッシュフロー = 売却価格-譲渡費用-借入残高-譲渡税額
2.家賃収入と売却を合計したキャッシュフローの比較
家賃収入と売却を合計したキャッシュフロー = 家賃収入の税引き後のキャッシュフローの累計額+売却での税引き後のキャッシュフローの額
3.IRRの比較
IRRについては以下をご確認ください。
「IRRの利用方法と目標値の決め方」
の3つです。
物件売却時のシミュレーションのポイント
この3つの数値を確認する際のポイントは
推定売却価格を中心に-20%~+20%程度の幅でそれぞれシミュレーションを行っておくことです。
以下はサンプルシミュレーションです。
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターで分析
推定の売却可能価格1億円を中心に8,000万円~1.2億円で売却した場合を比較しています。
未来にいくらで売却できるかは正確には分かりません。その弱点を補うために可能性の高い価格±20%の範囲でシミュレーションをしておきます。
8,000万円と1.2億円を比較すると収益に大きな差があります。家賃収入だけのシミュレーションではこの感覚を掴むことはできません。
売却価格比較シミュレーション
推定される売却可能価格を中心に比較シミュレーションを行う目的の1つは、どの程度の価格で売却出来れば投資として自分の目標範囲に入るかを知っておくことです。
その際の基準に、
1.売却での税引き後のキャッシュフロー
2.家賃収入と売却を合計したキャッシュフロー
3.IRR
を利用すると比較しやすいです。また、売却シミュレーションは物件購入時に行って勘所を掴んでおくことをお勧めします。
(動画)投資物件の売却シミュレーション
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを利用して「不動産投資の出口(売却)まで考えたシミュレーションを行う方法」を動画でご紹介します