減価償却費と元金支払額が投資に与える影響
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
前回はキャッシュフロー(CF)と課税所得の
違いについてお伝えしました。
今日は、課税所得がCFに与える影響について書きます。
特に“RC物件”には顕著に影響があらわれます。
【RCサンプル物件シミュレーション結果】
※クリックすると画像が大きくなります。
確認してほしいのが、
CFは30年後まで一定額にもかかわらず、
税引き後CFだけが年々減っている点です。
なぜ、こんなことが発生するのか?
理由は、課税所得の計算方法にあります。
「家賃収入-管理費等損金-利息支払額-減価償却費」
課税所得計算項目のうちの
上の画像で「減価償却費」と「元金返済額」
の推移に注目してください。
減価償却費は投資初期は
設備部分が定率法*で償却されている為
償却額が多くなっています。
*平成28年度4月1日以後取得物件は定額法のみ選択可
それに対して、ローン支払いは
利息支払部分が多く、
元金支払部分が少ないです。
投資初期は
「家賃収入-管理費等損金-利息支払額-減価償却費」
の計算式に当てはめて計算すると課税所得額が
少なくなることがわかります。
つまり、税金支払額も少なくなります。
ところが、年を追うごとに減価償却費は減少し
元金支払額は増加していきます。
その為、家賃収入の額は変わっていなくても、
年々、課税所得額が増加し税金支払額も増加します。
設備部分が定額法のみになった
平成28年4月1日以降に取得した物件でも
影響は若干緩やかになりますが
同様の現象が発生します。
税金支払額が増加することにより
本当の手取りである、税引き後CFが年々減っていきます。
借入をしてRC物件に投資した場合
同様の傾向が表れます。
課税所得額とCFの関係について
十分理解して投資計画をたてる必要があります。