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附属設備と取得時の諸費用を考慮した減価償却シミュレーション

2022-04-04              

    

不動産投資シミュレーションの重要項目の1つが「減価償却」です。
 
減価償却は、土地以外の資産(建物等)を購入時に一括で損金にするのではなく、決まった期間(法定耐用年数)を使って毎年損金にしていくものです。
 
今日は、不動産投資で必須の知識「減価償却シミュレーション」のポイントについてです。

 

 

減価償却シミュレーション

 

不動産投資は建物等の資産が多額になります。減価償却の額も非常に高額になる場合が多いです。
 
減価償却は、課税所得に大きく影響します。つまり、税金の支払い額や、本当の手取り額の税引き後キャッシュフローに大きな影響を与えます。
 

減価償却を計算する上で重要な項目は
 
1.法定耐用年数
 
2.建物等の資産価格
 
です。
 
それでは、具体的な計算方法と注意したい点について考えます。

 

 

法定耐用年数

 

法定耐用年数は用途と構造によって異なります。
 
以下は住居に利用する場合の新築の法定耐用年数です。
 

不動産投資に関連する法定耐用年数表_住居用
※その他用途の法定耐用年数はこちら
※その他年数の償却率はこちら
 
単純に「法定耐用年数が長い=1年間の減価償却額少ない」となります。
 
減価償却額は法定耐用年数毎に決まっている償却率をかけて金額を決定します(年数で÷のとは異なる)。
 
例えば:2,000万円 木造の場合は、2,000万円×0.046=920,000円が年間の償却限度額になります。
 
よく、建物部分と給排水等の設備部分を分けて計上した方が良いと言われるのは、設備部分の償却年数が短いからです。
 
最終的にトータルの償却額は当然、同じになるのですが、投資開始当初の償却額が多くできるからです。
 
以下は建物等の資産価格5,000万円(鉄骨造)を建物で償却した場合と設備を分けた場合を比較した年間の償却額です。
 
不動産投資_建物一括で償却と建物と附帯設備を分けて償却した場合のシミュレーション
アセットランクシミュレーターを利用
 
不動産投資の多くの設備は法定耐用年数15年の物が多いので附属設備部分は15年で計算しています。
 
確認してお分かりいただけるように、当初15年間は設備を分けた方が償却額が多くなります。
 
ご紹介した法定耐用年数は、全て新築で取得した場合です。中古の場合は異なります。ご興味のある方は「中古物件の耐用年数の計算方法を理解する」をご確認ください。
 
このように法定耐用年数により大きく減価償却額が変わることをお分かりいただけると思います。

 

 

建物等の資産価格

 

不動産の場合は、基本的に土地と建物(附属設備含む)で構成されます。単純に、土地よりも建物部分の価格が増加すれば、減価償却額は増えます。しかし、土地と建物の按分には合理的な説明が必要になります。
 
さて、減価償却の対象となるのは単純に建物価格だけかというとそうではありません。
 
忘れがちなのは諸費用部分です。不動産を購入した場合には、登録免許税等の税金、仲介手数料等の手数料など、様々な諸費用が必要になります。
 
これら費用の一部は、一括で損金化できません。損金化できない部分は、土地部分と按分して建物分の諸費用を加算して減価償却する必要あります。
  

建物等の価格と取得時に必要な諸費用で減価償却すべき諸費用を加算したものが「取得価額」です。
 
年間の減価償却額は、この取得価額を使用して
 
「取得価額 × 定額法の償却率」で計算します。
  
以下の一覧表が一括損金化できる物と減価償却する必要があるものの主な項目です。
 
不動産投資_一括損金処理可能分と減価償却が必要な取得費用一覧
 
ちなみに、1億円の物件(建物5,000万円)の減価償却が必要な諸費用を加算した場合としない場合を比較すると
 
■加算無し:150万円
■加算有り:約155万円
 
と年間5万円異なります。
 
シミュレーションの際も考慮にいれて分析していただければと思います。

 

 

減価償却額は重要

 

不動産投資シミュレーションをする際は、減価償却を考慮したシミュレーションを行う必要あります。減価償却額によって、本当の手取りである税引き後キャッシュフローは大きく変動します。
 
今日、ご紹介した内容をご参考にシミュレーションを行っていただければと思います。
 
※アセットランクシミュレーターを利用して減価償却シミュレーションを行う方法をご紹介しています。

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