4つの不動産投資指標を利用して収益性と安全性をバランスよくチェックする
「不動産投資シミュレーションで何を重視して確認すべきか分からない」
こんなお話を聞くことがあります。
分析結果を確認する際に重視すべきなのは「投資期間中を網羅する形で収益性と安全性をバランスよくチェックする」です。
4つの不動産投資指標
収益性と安全性をバランスよく確認するためには、4つの不動産投資指標を利用すると便利です。
その4つの指標は
1.税引き後キャッシュフロー
2.CCR(Cash On Cash Return)
3.BER(BE%)
4.Internal Rate of Return(IRR/内部収益率)
の4つです。
この4つを利用することで収益性と安全性をバランスよく分析することができます。
4つの不動産投資指標の解説
それでは、4つの指標について説明します。
1.税引き後キャッシュフロー
■計算式
収入(家賃収入等)-維持管理費(管理費・修繕費・固定資産税等)-返済額(元金・利息)-税金(所得税・住民税)
本当の手取り額です。不動産投資シミュレーションでもっとも重要視すべき指標
2.CCR(Cash On Cash Return)
■計算式
キャッシュフロー(税引き前or税引き後)÷自己資金×100
1年間で手元に残るキャッシュを投資した自己資金で割り自己資金に対する投資効率を確認する指標。数値が高ければ高いほど投資効率は高い
3.BER(BE%)
■計算式
(維持管理費+返済額)÷満室想定家賃(潜在的総収入)×100
定期的に必要な費用(固定費)と満室想定家賃を割ることで投資の安全性を確認する指標。数値が低いほど安全性は高い
4.Internal Rate of Return(IRR/内部収益率)
■計算式
画像の赤枠内が計算結果と計算式。Excelでの計算方法を知りたい方は「IRR 関数(Microsoft社)」をご確認ください。
不動産の出口(売却)まで考慮した自己資金の利回り。高ければ高いほど運用成績は良い。他の投資対象と運用成績を比較する際に便利
この4つの不動産投資指標で、収益性と安全性両面をバランスよく分析できます。
4つの不動産投資指標の確認ポイント
次に、4つの指標の確認すべきポイントです。
1.税引き後キャッシュフロー
・赤字又は赤字になりそうな年はないか・・赤字の年がある場合は自己資金の持ち出しが発生する可能性が有り注意
2.CCR(Cash On Cash Return)
・目標値に達しているか・・8~10%程度を目標に検討。この数値で約10~13年で自己資金回収可能
3.BER(BE%)
・適正な数値以下か・・70%以下を維持できるか。家賃下落・空き室等の変動で30%程度の収入減まで黒字を維持できる水準
4.Internal Rate of Return(IRR/内部収益率)
・目標値に達しているか・・IRR=7.18%で10年で自己資金を倍にできる。これを参考に目標を検討
上記の目標値を参考にシミュレーション結果を確認してください。
収益性と安全性のバランス
不動産投資シミュレーションを確認する際には、投資期間中を網羅して収益性と安全性をバランスよく確認する必要があります。
■収益性の視点⇒ 不動産へ投資するリスクを考慮しても、自己資金を上手に運用できそうか?
■安全性の視点⇒ 家賃下落・空き室率が増えても赤字になりにくか?
を重視して結果を確認してください。ぜひ、ご参考に不動産投資シミュレーションを行っていただければと思います。
(動画)4つの不動産投資指標を利用する
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを利用して税引き後キャッシュフロー・CCR・BER(BE%)を計算する方法
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを利用してIRR(内部収益率)を計算する方法