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家賃変動・空室を加味して現実的な不動産投資シミュレーションを行う方法

2023-06-27              

    

2009年に私たちが不動産投資シミュレーションツールを発売した際は、まだ、不動産投資シミュレーションは一般的ではありませんでした。

 

最近は、多くの投資家さんが利用するようになり、意思決定の参考ツールとして一般的になってきたと思います。

 

しかし、不動産投資に限らず、シミュレーション全般で言えることは、

 

「前提(入力)条件」が現実離れをしていると、ほとんど意味のない分析になってしまうことです。

 

 
 

不動産投資シミュレーションの前提条件

 

現実感ある分析は購入時の情報だけでは行えません。

 

理由は、10・20年と続ける投資(運用)は、時間経過による変動を条件に加えて行う必要があるからです。

 

時間経過による変動で特に考慮すべき項目は

 

1.空室
2.家賃変動
3.金利
4.修繕費
5.将来の売却可能額

 

の5つです。

 

今回は空室・家賃下落について現実感あるシミュレーションを行う方法についてです。

 

※その他3~5の項目については関連記事をご参照ください。

 

 

不動産投資シミュレーションの空室率設定

 

現実感ある空室率を検討する際に役立つデータは、住宅及び世帯に関する基本集計(総務省統計局)外部リンクです。

 

このレポート内の「現住居以外に所有する住宅の主な用途別普通世帯数」の調査結果を確認すると

 

不動産投資シミュレーションの空室率設定を行う際の根拠データ
「住宅及び世帯に関する基本集計」を参考にアセットランクが作成

 

約13%の空室率であることが分かります。しかし、この数値は全国平均のものです。また、まともに賃貸募集していない空き家も含まれていると考えられます。


この辺りを調整すると、都心や政令指定都市の中心部等は8~12%。地方都市等は13~20%を目安にシミュレーションを行うと良いと思います。

 

 

不動産投資シミュレーションの家賃変動設定

 

家賃変動については以下のデータが役立ちます。

 

劣化が住宅賃料に与える影響とその理由外部リンク
 
マンション賃料インデックス外部リンク
 
 
上記ホームページ「劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」をご確認いただきたいと思います。少し古いデータですが東京23区は、築20年頃まで経年劣化で1~2%前後下落していることが分かります。

 

 

次に、マンション賃料インデックスを確認します。

 

不動産投資シミュレーションで利用したいデータマンション賃料インデックス
出所:マンション賃料インデックス(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)を元にアセットランクが作成


上記は東京23区のシングル・コンパクト・ファミリーの総合指数データです。ここ10年近く、年平均約1~2pt程度上昇していることが分かります。


これらの傾向から推測する今後の家賃変動は、都心、政令指定都市は0~0.5%程度下落。地方は1~3%程度下落でシミュレーションを行うといいと思います。

 

 

変動有り、無しシミュレーション比較

 

変動有りと無しで、どの程度結果に影響があるか比較します。

 

不動産投資シミュレーション変動なしと変動ありを比較した結果
※不動産投資シミュレーションツール アセットランクシミュレーターで分析
 
上が変動無し、下が空室率10%・年0.5%家賃下落を加味した分析結果です。
 
20年後(2042年)の税引き後キャッシュフロー(CF)累計は、約1,400万円の差があります。今回は自己資金1,600万円でのシミュレーションですので、大きな影響のあることが分かります。

 

 

不動産投資シミュレーションの精度

 

分析結果を比較して分かるように、新築や物件購入時から変動の無いシミュレーションでは、現実感のない分析になります。ご紹介したデータ等を参考にしていただき、変動シミュレーションを行っていただければと思います。

 

 

(動画)変動シミュレーションを行う方法

 
※不動産投資シミュレーションツール アセットランクシミュレーターを利用した変動分析の入力方法のご紹介 

 
 

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