予測される金利上昇を意識して分析を行う方法
超低金利時代が十数年続いています。しかし、インフレ率の上昇で、数年以内にこの環境に変化があるかもしれません。
金利上昇は不動産投資最大のリスク
不動産投資には、空室、家賃下落など様々なリスクがあります。その中でも金利上昇は最大のリスクと言っていいと思います。
理由は、自分でコントロールすることが難しいからです。それだけに、金利上昇した場合のシミュレーションはしっかり行っておく必要があります。
金利上昇シミュレーションで最低限確認しておきたいポイントは2つです
キャッシュフロー赤字になる金利水準
金利上昇シミュレーションで確認しておきたい1つ目の項目は、
何%の金利上昇までキャッシュフロープラスでいられるかです。
表面利回り6.5%のサンプル物件を使って確認します。
投資開始時は1.5%で借入をしています。期間中にそれぞれ2.5~4.8%に金利上昇した際のシミュレーションです。
1.5%⇒2.5%に1%上昇した場合、年間キャッシュフロー(CF)は約50万円減少(30%減)します。1%でもキャッシュフローに大きな影響を与えます。
そして、キャッシュフロー赤字になるのは金利4.8%になった時です。3.3%上昇するとキャッシュフロー赤字になります。
現状の日本経済を考えると、すぐに発生する可能性は低いと思います。しかし、アメリカの政策金利は約1年半で0.25%⇒5.25%に上昇したことを考えると絶対にないとは言えません。
金利上昇の不動産売却への影響
金利上昇を考慮したシミュレーションで次に行っておきたいのは売却シミュレーションです。
金利上昇シミュレーションでなぜ、売却シミュレーション?と思われる方もいるかもしれません。
理由は「金利上昇=不動産価格下落」だからです。購入時よりも金利上昇に伴って売却できる価格も下落します。
1%金利上昇した場合には、表面利回りも1%程度上昇して物件価格は下落します。現実的には、様々な条件があるのでここまで単純では有りません。しかし、かなり確率で下落する可能性が高いです。
売却シミュレーションのサンプルは以下です。
家賃収入のキャッシュフロー以上に大きな影響です。1%上昇で売却で得られるキャッシュフロー(CF)は、約1,500万円(48%減)となります。
理由は
▼ 1%金利上昇することで売却時に求めらる表面利回りも1%上昇して7.5%になった
▼ 金利上昇で利息支払が増加して元金返済が減少、売却時の返済残高が増加した
からです。
売却にも金利上昇は大きな影響を与えることがお分かりいただけると思います。
金利上昇リスクは常に意識する
不動産投資への金利上昇の影響は本当に大きいです。
シミュレーション時には
1.何%の上昇迄キャッシュフローは赤字にならないか
2.売却キャッシュフローにどの程度影響があるか
を中心に金利変動シミュレーションを行っていただければと思います。
金利上昇シミュレーションを行う方法動画
※不動産投資ツール アセットランクシミュレーターを使って金利上昇シミュレーションをする方法