築20年の木造とRCのキャッシュフローを比較する
中古物件への投資は、新築に比較して利回りの高さなど、新築にない魅力があります。また、中古物件ならではの物件構造によるキャッシュフローへの影響があります。
今日は、中古のRC・木造に投資した場合のキャッシュフロー傾向についてです。
中古物件への投資
中古物件への投資は、RCと木造でキャッシュフローの傾向に大きな違いがあります。
キャッシュフロー(税引き後)の傾向は、
投資前半は木造が多く。一定時間を経過するとRCが多い
です。
この特徴は、不動産投資で非常に重要な項目が要因で発生します。
木造・RCならではの特徴
ここからは、サンプル物件を使って比較します。
築20年の物件です。木造とRCのキャッシュフローの特徴を分かり易く比較できるように、
現実にはあり得ないのですが、物件構造が異なる以外は同条件でシミュレーションします。
大きく違うキャッシュフロー
それぞれのキャッシュフローシミュレーション結果は以下です。
※アセットランクシミュレーター収支詳細機能一部抜粋
まず、確認していただきたいのは、税引き後キャッシュフロー(CF)です。
税引き前キャッシュフロー(CF)は同じです。しかし、税引き後キャッシュフローは大きく異なるのがお分かりいただけると思います。
投資6年目の2028年迄は木造が約15~50万円多いことが分かります。しかし、投資7年目の2029年~はRCが約50万円多くなります。
理由は、シミュレーション一番下の欄の減価償却費にあります。
築20年(住居用)の木造は法定耐用年数が6年と短く、短期間で減価償却されます。
それに対してRCは31年と長いため、1年当たりの償却額は小さくなります。
そのため、木造の税金負担は小さく、RCの税金負担は大きくなります。
しかし、木造は6年で減価償却を終えてしまいます。7年目から急激に税負担が増加して、税引き後キャッシュフローが減少します。
※耐用年数と課税所得の計算方法については以下の記事をご参照ください。
■中古物件の耐用年数の計算方法を理解する
■今さら聞けないCFと課税所得の違い
特徴を考慮した投資計画
同じ築年数の物件に投資しても、木造、RC等の物件構造によって大きく結果が異なります。
この ように投資する物件の特徴によって、Aさんには良い物件でも、Bさんには向かない物件ということがおこります。
物件構造によるキャッシュフローの特徴をふまえて、その物件が自分の投資目的に見合う物件か判断する必要があります。
※アセットランクシミュレーターを利用し物件構造毎のキャッシュフローを確認する方法をご紹介しています。