Archive for the ‘日経新聞から読み解く不動産投資’ Category
不動産投資の環境変化はどこからやってくるのか
不動産投資は、その他の商売と
比較すると変化は遅い業界です。
まさに、ミドルリスク、
ミドルリターンの業界です。
そんな不動産投資でも、こんな
変化が起こることがあるようです。
想定していた人は
少なかったと思います。
・・・以下日経新聞引用・・・
だが環境は変わりつつある。
米国では利上げ局面で、
賃料は下がり始めた。
JLLによればニューヨークは直近で
最も安かったのは10年6月末。
17年12月末にはそこから38%も
伸びたが、
18年3月末にはマイナスに転じた。シェアオフィスの急成長も
無視できない。
米大手のウィーワークは月単位で貸し、
借り手のニーズに柔軟に対応。
10年以上の賃貸契約が一般的な
ニューヨークのオフィス市場
で存在感を高めた。
三井不の菰田社長も
「マッチングコストの低下で
(既存ビルの)賃料が下がることは
あり得る」とみる。
・・・日経新聞引用終わり・・・
ご紹介した日経新聞の記事を読んで
なるほどと思いました。
単純に考えて、
▼ 会議室は共用
▼ 机1つのスペース
でオフィスとして
成り立ってしまうことを考えると
それだけでスペースが格段に
必要なくなります。
おそらく、10人で使っていた
オフィスを
シェアオフィスでは20人位で
利用できるのではないでしょうか。
六本木ヒルズや丸ビル
のようなビルは別ですが
小さな会社が入っているビルは
大きく影響を受けるかもしれません。
変化の遅い、安定している大家業も、
気づかない所で
環境の変化が忍び寄ってくる可能性が
あるんと気づかされる記事です。
もちろん、駅近など魅力のある物件は
環境の変化に合わせて
違う形態に変更して運用を続けることが
できます。
不動産投資は長期で運用することが
前提の商売だけに、
このような環境変化には
敏感になっておく必要があります。
35歳を超えてから必要なこと
先日、マネーワールドという番組が
NHKで放送されていました。
初回は、孫正義社長が出演して
仮想通貨について議論していました。
以前、私がメールで行っている
不動産投資家向けのセミナーで
こんなことを書きました。
・・以下メールセミナー引用・・
日本だと円、アメリカだとドル
のことです。
さて、これらの紙幣、過去には
金と交換可能でした。
ドルについては約50年前まで
金と交換可能でした。
しかし、現在は、金と兌換可能な
紙幣は存在しません。
では、なぜ、〇〇さんも私も
そして、世界中の殆どの人が
信用し利用しているのか?
国がお墨付きを与えているから?
実は、そうではありません。
答えは、殆どの人が「信用」
しているからです。
(中略)
では、ここまでを頭に入れて
仮想通貨について考えます。
仮想通貨には価値があって
値上がりするのか?
もう、答えをお分かりかも
しれませんが
仮想通貨の貨幣としての価値を
決めるのは
どれだけ多くの人が「信用」
するかで決まります。
・・メールセミナー引用終わり・・
まだ、仮想通貨は投機的な側面が
強いですが
これから「信用」され
貨幣としての機能を得ていくと
思います。
ただ、少し、時間はかかります。
理由は新しい物を人間は
こんな風に感じるからです。
生まれた時からある物は
自然な物だと感じる
15歳~35歳の間に生まれた物は
興奮を覚え利用しようとする
35歳以上に生まれた物は
自然に反したものだと感じる
人間、子供の頃から慣れ親しんだり
良い物だと教えられたものは
まったく、違和感を感じることなく
利用します。
しかし、年を経てから出てきた物
子供の時に悪いと刷り込まれた物
には強い抵抗を示します。
不動産投資で利用するローンも
そうかもしれません。
よい物件があっても、ローンを
躊躇する人を何人も見てきました。
結局、チャンスを逃すことに
なります。
消費でないローンは、
その結果、
収益を得る目的が果たせれば、
それは正しい行動だった
ということになります。
不動産投資で利用するローンは、
コントロール可能であれば
拒絶する理由はありません。
新しい物(技術)を含め
物事を柔軟に受け入れ、
未来を見据えて行動する。
こんなことが不動産投資にも
その他の物事にも必要だと感じます。
不動産投資の融資について(日経新聞の気になる記事)
10月6日発行のメールセミナーで
こんなことを書きました。
・・・以下メールセミナーより・・・
最近、ある投資家仲間
と話していると
「銀行の融資が厳しくなってきたね
何となく2006年頃とかに
似ている雰囲気」
違いはありますが、確かに
2002年頃~2005年頃にかけて
大手M銀行などが
オーバーローンでも
積極的に貸していたのに
急に、審査が厳しくなった時期が
2006年頃だったように記憶しています。
今回もスルガ銀行の件もあり
銀行の審査が厳しくなってきました。
まさに、いつか来た道
といった感じかもしれません。
・・・メールセミナーよりはここまで・・・
といった話をしていたら
10月7日付の日経新聞に以下のような
記事が掲載されていました。
・・・日経新聞引用・・・
不動産投資、細る融資
スルガ銀問題の余波
4~6月5600億円 ピーク比半減
スルガ銀問題を受けて、金融庁が不動産
への過剰な融資を抑制する姿勢に転じ、
金融機関が審査の厳格化に
動いているためだ。
日銀によると、個人の貸家業向けの
新規融資は18年4~6月で5603億円と
前年同期比で22%減少。ピークの16年7~9月
(1兆889億円)比ではほぼ半減し、
ブーム初期の12年4~6月(4719億円)
以来の水準に落ち込んでいる。
・・・引用ここまで・・・
不動産投資向け融資が先細る時は
金融庁のご指導による場合が多いです。
2006年、2007年頃もそうでした。
その時、私の投資家仲間は
「諸費用まで含めた金額を
M銀行から引けたよ。」
と言っていたのが
この時期になると
「融資受けようと思ったら、
自己資金20%入れろって言われた」
という風に変化していました。
今回も同じような流れになっている
ようです。
確かに2006年、2007年当時は
物件が割高になっている時期でした。
不動産投資シミュレーションを
していても
「あ、こりゃ無理だな」
という物件が増えていましした。
まさに、2018年の今もそんな時期に
なっています。
出回っている物件を
不動産投資シミュレーションすると
「こりゃ無いよね。」
といった物件が多くあります。
メールセミナーでも書きましたが
まさに、
「いつか来た道」だな
といった感じです。
さて、皆さんご存知のように
2007年の翌年、2008年に
リーマンショックが起きます。
今回、同様なことが起こるかは
分かりませんが
ここ数年より、リスクを管理した
投資計画を立てるべき時期に来ています。
アメリカの利上げについて考える
アメリカ(FRB)が9月26日に
利上げを決定しました。
以下引用 日本経済新聞
米連邦準備理事会(FRB)は26日、
短期金利の指標である
フェデラルファンド(FF)
金利の誘導目標を0.25%引き上げ、
年2.00~2.25%とすると決めた。
利上げは3カ月ぶりで、
年内さらに1回、
2019年中にも3回の
追加利上げを見込む。
引用終わり
だいたい予想通りに利上げを
行いました。
では、金利が上がるとどのような
影響があるのか考えてみます。
1.銀行の預金金利が上がる
2.銀行の借入金利が上がる
3.株価が下落(理論的には)
4.不動産が下落(理論的には)
5.通貨が上昇(ドル高)
大きな影響は、
こんなところでしょうか。
1と5を除いては基本的に
金利を上げることは
「経済にマイナスの影響を与えます」
では、なぜ、それが分かっていて
金利を計画的に上げていくのか?
大きな目的は2つあります。
1.異常な好景気(バブル)を抑制
及びインフレ抑制の為
2.景気が悪くなった時に金利を
下げるバッファを設ける為
これを簡単に言えば、
金利を操作することで
「景気の凸凹を小さくする
コントロールをしている」
ということです。
利上げを計画的に続けることで、
アメリカは景気が悪くなった際に
金利を下げる余地を作ることが
できました。
それに対して、日本は、量的緩和も
収束できておらず
景気が悪くなった際に対策をとる
余地はほぼありません。
不動産投資を進めていると、
金利が低いことはいいことですが
景気全般や景気の凸凹を
無くすことを考えると、
単純にそうとも言えません。
日本の不動産価格~世界から見た~
こんにちは
大塚 博之です。
9月上旬から2週間と短い期間ですが
ヘルシンキ~チューリッヒ~ロンドン

ヘルシンキ

チューリッヒ

ロンドン
と周遊してきました。
目的は、観光、不動産視察
あと、親孝行です。
不動産の価格を気にしながら
回っていたのですが
だいぶ、値段の上がった
東京がまだ割安に見える価格でした。
少し、シミュレーションしてみたのですが
インカムゲイン中心に考えて投資するには
厳しい水準のようです。
インフレを気にしながら
金利水準を決めている
新興国を除いては
世界全体で低金利が続いています。
それを反映した価格だな
という印象でした。
特に、ロンドンとチューリッヒは
金融で生きている街ですので
余計にお金が集まって顕著に
なるのかもしれません。
それと印象的だったのは
どの街でも改修工事している
建物が多かったことです。
この辺りも低金利の環境を
如実に表しているのかなといった印象です。
東京など日本の都市の不動産価格も上昇し
利回り水準も低下していますが
世界標準で考えるとバブルとは
まったく、言えない状況だと思います。
このブログをご覧の投資家さんは
世界中で投資している方も多いと思います。
やはり、日本で投資するにしても
世界と比較してという視点は
必要だと感じました。
基準地価(2018年)から読み取れること
2018年の基準地価が昨日(9/18)
発表されました。
基準地価とは・・・
各都道府県の調査を基にして
9月下旬に公表される地価指標です。
正式には都道府県基準地標準価格で
同年の7月1日の土地価格の
調査を基にしています。
類似した指標に公示地価がありますが
調査範囲が
公示地価 → 都市計画区域内
基準地価 → 都市計画区域外も含む
と異なります。
さて、今年の基準地価から感じたことは
「あと数年でこの流れも終わりかな」
ということです。
なぜ、こんなことを感じたかと言うと
首都圏でドーナツ型の土地価格上昇が
進んでいると感じたからです。
ドーナツのイメージはこんな感じです。
子供の落書きみたいですが
言葉で説明すると
地価が上昇する順番は
千代田区、港区、中央区など都心
↓
渋谷区、新宿区、品川区など南西部23区
↓
墨田区、江東区など北部及び東部23区
↓
川崎市、横浜市など南部政令指定都市
↓
相模原市、さいたま市など南部以外
政令指定都市
↓
千葉市
こんな順番で上昇していく
傾向にあります。
逆に、下落し始めるときは
ドーナツを逆流していく
感じになります。
今回の基準地価で特徴的だったのは
江東区や墨田区などの地価がかなり上昇した点
横浜の住宅地の地価が横ばいから微増した点
です。
この傾向から、ドーナツが進み
始めたなと感じました。
この流れが、進んでいくと
相模原市、さいたま市、千葉市
などの外縁部に進んでいきます。
もちろん、そこまで進まずに
ドーナツが不完全な
形で終わってしまう可能性もあります。
言えることは、都心部の価格が
かなり上昇したことで
ドーナツが進み始めていることです。
ドーナツが始まると
いつ、この勢いが終わるのだろうと
意識する時期が来ていると
考えています。
不動産投資を考える際にも
参考になる知識だと思いますので
ご紹介しました。
ちなみに、現在の状況をバブルが近いや
バブルだという方もいらっしゃいますが
海外の不動産市況を考えると
私は、バブルとは思わないので
ガクンと下げる可能性は低いかなと
考えています。
金利について考える
不動産投資、株式投資、為替など 経済(economy)情勢の視点で お伝えしていきます。 |
本日(2018年9月3日)の
日経新聞に掲載された
以下引用
超長期債の発行2割増 日航が20年債準備
償還までの期間が10年を超える超長期債の
発行が相次いでいる。
日本航空は20年債の発行に向けて準備を進める。
6月にはファーストリテイリングが初めて
20年債を発行し、1~8月では発行額が2割増えた。
企業は将来の金利上昇への懸念から、低いうちに
設備投資などに充てる長期資金を確保しようとしている。
日経新聞より引用
引用終わり
各企業も金利上昇を意識し始めている
ようです。
超長期債は期間で考えると
不動産投資で借りる期間に近いです。
各企業が金利上昇を考え始めたいま
我々、一般の投資家は何を考えるべきか。
不動産投資を考えた場合
固定で借りることは
プレミアムな金利(利息)を払う
ことを意味しています。
それを考えると
やはり、変動で投資をする場合が
多いです。
不動産投資シミュレーションの
専門家として
数多くのシミュレーションを
行ってきましたが
金利上昇による利払い費増加は
想像以上に賃貸経営に影響を
与えます。
「今が、一番最底辺の金利である」
このことを忘れずに投資を行ない
つねに金利の動き(ニュース)には
目を配っておく必要があります。
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