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積算価格の限界を考える
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
今日は、積算価格について書きます。
「積算価格」は物件価格の
妥当性を検討するのに非常に便利です。
■積算価格とは・・
土地面積×平米単価(路線価等)+建物面積×平米建築単価
÷法定耐用年数×残存年数
物件価格が割安か検討するのに便利な積算価格ですが、
・ 物件価格 4,000万円
・ 積算価格 5,000万円
「お、この物件は割安だ、買いだ!」
とで考えてしまうのは危険です。
その理由は、積算価格がどんな価格かを
考えるとわかります。
積算価格は、
現在(正確に表現すると過去の実績)
の土地、建物価格から計算する方法
だからです。
積算価格が表しているのは
あくまでも「現在(過去の実績)」
の価格です。
つまり、将来、どうなるかは
ほぼ、考慮されていません。
土地価格が右肩上がりで上がっていた時代は
下落することを考えないでよかった為、
積算価格だけで割安と言えました。
しかし、土地価格が下落する可能性のある状況では
将来のことを織り込んでいない積算価格が割安な
だけで買いとは言い切れません。
積算価格でわかるのは、あくまでも
「現在(過去の実績)」の価格です。
不動産投資で大事なのは
現在でなく「未来」です。
積算価格だけでは未来を判断することはできません。
では、未来を考慮した価格を検討することは
できないのか?
いえ、検討する方法はあります。
それが「収益還元法」です。
収益還元法については次回メールに続けます。
今話題のビットコインには価値があるのか
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
今日は不動産投資を少し離れて
乱高下を続けるビットコインは
投資対象として魅力があるのかを考えます。
投資の本質は、株でも、不動産でも
現在の価値より、将来の価値が上がるかにあります。
そこで、まず、ビットコインには
価値が「有るのか」「無いのか」から考えていきます。
価値には色々な尺度がありますが
今日は価値を2つに分解して
■利用して得られる対価
■生産にかかった手間
この2つ視点から考えます。
例えば
▼不動産の場合
■利用して得られる対価
・災害に対して安心
・買い物に便利で生活しやすい
・駅が近くて、色々なところに行きやすい
・etc
■生産にかかった手間
・土地造成の手間
・建築の手間
・etc
この2つの価値の和が大きいほど
価値が高いと考えられます。
では、ビットコインの場合
■利用して得られる対価
・何か欲しいものに簡単に変えられる
■生産にかかった手間
・高性能コンピュータ購入費
・暗号を解くための計算の手間
・電気代
ということになります。
生産にかかった手間という点では
ビットコインを作り出すまでに相当な手間が
かかっていますので価値があると言えます。
問題は
■利用して得られる対価
何か欲しいものに簡単に変えられる
↓
使いたい時に、使える
という点で、弱いという点です。
まだ、ビットコインを使える場所は
本当に限られています。
この2つの視点で見たときに
ビットコインの現在の価格は妥当か?
おそらく、このまま、利用して得られる対価が
将来に渡って、弱いままならば割高と言えます。
しかし、利用価値が高まった場合には
まだまだ、価値を上げていく可能性があります。
どちらの可能性が高いかを判断して
投資するか、しないかを判断することが
投資家として醍醐味と言えます。
※ビットコインは貨幣の側面が強い為
貨幣で重要な「信用」という視点も重要です。
この視点については、機会をみて触れたいと思います。
成功する投資家の思考回路
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
不動産投資をするならば
「利回りの高い物件に投資したい」
これは、どんな投資家も考えることです。
ただ、成功する投資家は
ここから先が少し違います。
「なぜ、この物件の利回りは高いのか?」
を考えます。
利回りが高くなる理由を
いくつか挙げると
・駅から遠い ⇒ 家賃下落・空室率上昇の可能性
・築年数が古い ⇒ 修繕費の増加の可能性
・地方物件 ⇒ 家賃下落・空室率上昇の可能性
など、何らかのリスクが潜在的に
ある可能性が高いです。
成功する投資家は
・利回りの高い理由は何だろう
↓
・その理由の潜在的リスクは何だろう
と考えます。
そして、物件に投資するか、しないかを
判断する時には
そのリスクは、自分でコントロール可能だろうか
と考えます。
自分は、コントロールできるけど
他人は、コントロールできない。
となれば、その物件は
おいしい物件となります。
成功する投資家の頭の中を覗くと
「なかなか、利回りの高い物件だな」
「あ~、築年数が古く、数年後に
修繕の必要だから利回りが高いのか」
「普通に考えれば、○○万円の修繕費がかかる
から、リスクが高いな」
「でも、自分であれば、知り合いの会社で
直せるから、○○万円ですむ」
「不動産投資シミュレーションをしてみよう」
「よし、リスクをコントロールできそうだから
投資しよう」
とこんな具合です。
「利回りが高い=何らかのリスクが存在するかもしれない」
このように思考できるかは
不動産投資で成功するには重要です。
不動産投資で金利上昇が怖い2つの理由
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
今日は金利と不動産投資の
関係性について考えたいと思います。
低金利だと忘れがちですが
不動産投資のリスクを考えた時に
空室リスクの次に怖いのが
「金利上昇」です。
金利上昇が不動産投資に与える影響で、
まず、思いつくのが
金利が上昇し、返済額が増加することです。
例えば、 4,000万円借入して10年後に
金利が1.5%⇒2%に上がるだけでも
年間15万円以上支払いが増えます。
借入額が多いほど金利上昇は
不動産経営に大きな影響を与えます。
そして、見過ごしてしまいがちですが、
もう1つリスクがあります。
それは、金利上昇による
「物件価格下落」です。
金利上昇 ⇒ 物件価格下落
は以下のようにして起こります。
▼ 金利が上昇する
↓
▼ 支払利息が増加する
↓
▼ 収益をあげるのにより高い利回りが必要になる
↓
▼ 低利回り(物件価格が高い)が売れなくなる
↓
▼ 物件価格の相場が下落する
↓
▼ 所有している物件の価格も下落する
このような流れで物件価格が低下します。
金利上昇は、不動産投資にとって
大きなマイナスです。
このマイナスを打ち消すには
家賃の上昇が必要です。
家賃上昇のない状況での
金利上昇は収益に大きなインパクトを与えます。
低金利が続いている、今だからこそ
金利動向のチェックを行うのはもちろん
どの程度の金利変動まで耐えられるかを
シミュレーションしておく必要があります。
土地価格が上昇する3つの条件
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
今日は、土地価格が
上昇する条件について考えます。
この条件が分かると
「なぜ、日本の土地価格は大きく上昇しないのか?」
についても理解できます。
土地価格が上がる大きな要因は
3つしかありません。
■経済成長
経済が成長することで個人の所得が増加し
土地価格を押上げる
■人口増加
人口が増加することで土地の希少性が増し、
土地価格を押上げる
■インフラ整備
インフラ整備により利便性向上し
利用価値が高まり、土地価格を押上げる
の3つです。
実は、この3つ以外にも土地価格を上昇
させる要因があります。
それは、インフレですが、
インフレは本当の意味の土地価格(土地“価値”)
上昇には当たりませんのでここではふれません。
さて、この視点で日本の現状を考えると
■経済成長
1%に満たない低成長が続いている
■人口増加
将来にわたり人口が減少
■インフラ整備
道路、鉄道、水道、電気などの
主要インフラ整備はほぼ完了
この通り、土地価格が上昇しないのが
当然という状態が続いています。
ただ、日本全体で見ればこのような傾向ですが
特定の地域で考えると
■経済成長している
■人口が増加している
■インフラ整備が進んでいる
地域はあります。
その限られた地域では、
まだ、土地価格が上昇する可能性はあります。
土地価格の上昇でキャピタルゲインを得るには
■経済成長
■人口増加
■インフラ整備
の3つが発展している地域を日本の中は無論
世界のどこにあるかを考える必要があります。
歴史から学ぶ不動産投資
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
今日は、不動産投資からは少し離れて、
不動産投資にも影響を与える
未来の経済を歴史から学べる
1冊を紹介したいと思います。
ベストセラーになったので
読まれているかもしれません。
■世界史(上巻)
https://assetranksimulator.
■世界史(下巻)
https://assetranksimulator.
示唆に富む箇所は多くありますが
一部を紹介すると
世界史(下巻)「価格革命」という章の
一文で
「物価は、約四倍にも上がったことが判明している」
1500年~1650年にかけてメキシコなどの金銀が
ヨーロッパに流入、
特に、当時覇権を握っていスペインでは
流入量が多く物価が4倍にも上がったことについて
書かれた部分です。
当時、紙幣の役割をはたす金銀が増加し
交換すべき商品の生産が間に合わずインフレに
陥った状況について書かれています。
生産性向上で物が溢れる現代の
金融緩和に直接は結びつけられませんが、
非常に示唆に富む箇所だと思います。
世界史(下巻)に、こんな一文もあります。
「伝統的な経済諸関係を深く揺さぶるに
充分な力をもっていた。
一定の収入をもつ人々は、深刻な購買力不足に陥り、
一方事業に携わる人々はしばしば金を儲けた。
それはその人たちの扱う商品の価格が上昇する
傾向にあったからである。」
この一文もインフレを意識した時に
どのような立ち居振る舞いが必要かの
ヒントになります。
確かに、500年前と現在では状況が違います。
しかし、歴史は形を変えて
螺旋階段を上るように繰返すことも事実です。
■世界史(上巻)
https://assetranksimulator.
■世界史(下巻)
https://assetranksimulator.
経済以外の視点でも、非常に気づきの多い本です。
お金持ちの投資家と初心者投資家の違い
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
「お金持ちにはいい物件でも
初心者には向かない物件」
こんな物件が存在します。
どんな物件かを、参考物件で比較すると
【お金持ちのシミュレーション結果】
↓
結果詳細
【初心者のシミュレーション結果】
↓
結果詳細
上の2つは1つの条件を除いては
全て同じ条件でシミュレーションしています。
しかし、結果は
・ お金持ち → 毎年プラスキャッシュフロー(CF)
・ 初心者 → 毎年マイナスキャッシュフロー(CF)
と180度違う結果になっています。
その異なる1つの条件とは
「自己資金額」です。
・ お金持ち → 6,000万円
・ 初心者 → 2,400万円
自己資金額で顕著な違いが出る
投資対象は「中古木造物件」です。
中古木造物件で
このような違いが出る理由は
「法定耐用年数が短い」 からです。
今回、シミュレーションに使った物件は
法定耐用年数が15年です。
銀行は、基本、耐用年数内でしか貸しません。
今回の物件の場合、ローン年数は
15年ということになります。
ローン年数が短く、自己資金が少ないと
1年あたりの返済額が多くなり、
初心者の人のようにマイナスCFになります。
逆に、お金持ちは自己資金が十分にあることで
借入額を抑え、ローン期間は短くても
プラスCFで運営が可能になります。
中古木造物件はローン期間が短くなる為
ある程度、資金が確保できる
お金持ちにはいい物件でも、
初心者にとっては、リスクの高い物件に
なる可能性があります。
不動産投資のいい物件、悪い物件は人それぞれです。
それだけに、しっかりとしたシミュレーションが必要です。
減価償却費と元金支払額が投資に与える影響
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
前回はキャッシュフロー(CF)と課税所得の
違いについてお伝えしました。
今日は、課税所得がCFに与える影響について書きます。
特に“RC物件”には顕著に影響があらわれます。
【RCサンプル物件シミュレーション結果】
※クリックすると画像が大きくなります。
確認してほしいのが、
CFは30年後まで一定額にもかかわらず、
税引き後CFだけが年々減っている点です。
なぜ、こんなことが発生するのか?
理由は、課税所得の計算方法にあります。
「家賃収入-管理費等損金-利息支払額-減価償却費」
課税所得計算項目のうちの
上の画像で「減価償却費」と「元金返済額」
の推移に注目してください。
減価償却費は投資初期は
設備部分が定率法*で償却されている為
償却額が多くなっています。
*平成28年度4月1日以後取得物件は定額法のみ選択可
それに対して、ローン支払いは
利息支払部分が多く、
元金支払部分が少ないです。
投資初期は
「家賃収入-管理費等損金-利息支払額-減価償却費」
の計算式に当てはめて計算すると課税所得額が
少なくなることがわかります。
つまり、税金支払額も少なくなります。
ところが、年を追うごとに減価償却費は減少し
元金支払額は増加していきます。
その為、家賃収入の額は変わっていなくても、
年々、課税所得額が増加し税金支払額も増加します。
設備部分が定額法のみになった
平成28年4月1日以降に取得した物件でも
影響は若干緩やかになりますが
同様の現象が発生します。
税金支払額が増加することにより
本当の手取りである、税引き後CFが年々減っていきます。
借入をしてRC物件に投資した場合
同様の傾向が表れます。
課税所得額とCFの関係について
十分理解して投資計画をたてる必要があります。
キャッシュフローと税金の関係
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
「キャッシュフロー(CF)と課税所得の
違いを教えてください?」
先日、こんな質問を受けました。
不動産投資を考える上では
基本中の基本ですが、
実は、突き詰めて考えていくと
投資の成否にも影響を与える違いです。
まず、今日は、CFと課税所得の違いを説明します。
▼CF
現金の流れを表したもの
▼課税所得
税額を決定する基準金額
この金額に所定の税率をかけて税額を決定する
これだけ読んでも、何のことか分かりにくいので
計算式を書いて説明します。
▼CF
・家賃収入-管理費等費用-元金・利息支払額
入ってきたお金から、支払ったお金を引いて
残った金額がCFになります。
CFは実際に手元に残るお金の流れです。
しかし、課税所得は実際のお金の流れと異なります。
▼課税所得
・家賃収入-管理費等損金-利息支払額-減価償却費
CFとの違いは
・ 元金支払額を引かない
・ 減価償却費を引いている
が異なります。
元金支払額は、資本的支出(現金が物件に変わっただけ)
なので損金にはなりません。
その為、利息分のみ損金として引くことになります。
減価償却費は、CFにはない項目です。
減価償却費は、建物、設備を法定耐用年数で
案分した額を損金にするものです。
現金の動きはないのでCFに影響を与えません。
このように、CFと課税所得は
それぞれ違う計算になることを不動産投資の
基礎として知っておく必要があります。
実は、この違いが10年後、20年後の
不動産投資収益に影響を与えます。
次回のメールでお伝えします。
利回りの高い物件ほどいい物件は本当か?
おはようございます。
アセットランク.Com
大塚 博之です。
不動産投資でもっともよく
使われる指標は
「利回り」です。
例えば
「利回り10%以上の物件が欲しい」
などは不動産投資家、大家さん
は頻繁に使うフレーズです。
ただ、意外と利回りの意味を
しっかり理解しないで使っている方も多いです。
例えば、こんな質問をしてみます。
「あなたは、1,2のどちらに投資しますか」
1.東京港区の利回り10%
2.人口20万人の地方都市の利回り10%
迷わず、「港区の利回り10%」を
選ぶと思います。
では、なぜ、悩むことなく
選ぶことができるのか?
不動産投資のリスクとして考えらえる
▼ 空室率
▼ 家賃の下落率
▼ 物件価値の下落率
これらのリスクを港区と地方都市で
こんな風に判断しています。
「同じ利回りならば、リスクの低い港区がいい」
と直感的に選んでいるのです。
しかし、現実には港区の利回りは5%あれば
いい方だと思います。
この時に地方都市が10%の利回りならば
魅力的な投資に映るかも知れません。
この例から分かるのは
「利回りはリスクが大きい場合には高く
リスクが少ない場合には低くなる」
のが基本であるということです。
利回りを語るとき、その裏側にある
リスクについて、じっくり思考する。
この時にはじめて物件間の利回り
比較が有効に作用し始めます。
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